貿易実務が分からないなら、輸出・輸入はまだ始めるな!
2010年、当時31歳だった貿易素人の僕は日本の商品を海外へ輸出をしたい!と動き始めましが・・・、
商材は決めていました。参入障壁が高く、免許が無いと扱えない商材、取引はBtoB、物量はコンテナ単位、無在庫での輸出。文字に書けば良い響きですが、いざこのプロジェクトを始めると僕の思い描いたようには進みません!簡単に言えば1年何の動きも出せず時間を無駄にしたのが現実です。
ここは日本。新規で何かを始めよう!とする若者には厳しく、取引先となる国内メーカーが見つかりません。更に僕には海外の輸入者との繋がりも無い状態でした。経験無しで新規で始めるプロジェクトの難しい所はこういった取引先開拓が最初のハードルではないでしょうか。
「時間が無駄に過ぎる=資金も減っていく」のが現実で、これを打破すべく僕はコンサルタントを雇いました。アメリカ人の。
彼に前金で払ったのは100万円。「種はやるけど、自分で育てろ!」というのが条件で、まずは一緒に国内メーカーを訪問しました。アメリカ人と一緒に行くと、相手も「おっ、本当に海外輸出するんだな?」と好印象でした。プレゼンをして国内メーカー2社との取引が決定。次に、アメリカの輸入会社へ3者でSkypeをしプレゼンをしました。日本からのCallなので、輸入者も「日本と直接取引が出来る!」と期待してくださり、取引OKを頂きました。ようやくStat lineに立てた!でも雇ったコンサルの役目はここまで。貿易実務自体を彼は行わないので、ここから先は自分で乗り越えていく必要があります。
サンプル空輸でトラブル発生!
「Yoshi, use FedEx and send us some samples ASAP.」そんな感じで僕は輸入者より「今すぐサンプルを送れ!」とリクエストを受けました。直ぐに2社のメーカーからサンプル品を僕の事務所へ送ってもらい、国際輸送の手配を開始。Invoice、PackingList、AirWaybillを用意、送り先はアメリカだったのでOnlineでの事前登録も済ませて、いざ発送!ところが10日経っても輸入者の手元には届きません。「書類に不備があるのでMemphisの輸入通関箇所で止められている。それと箱の中身は壊れて飛び出してます。」とFedExから連絡が入りました…。空輸代4万円払ったのにやり直し…。2社のメーカーに事情を説明し、再度発送する事に。勿論、前回より強化した梱包、書類も問題箇所を修正して…。というか、何が問題なのか?すら自分自身では分からない!!小さな事で毎回つまづき、悪戦苦闘をしながらコツコツと僕は経験を積みました。
その後1本目のコンテナを輸出し、海外送金を受け取りました。ATMの記載される音は感動的で今でも忘れられません。内心僕自体も不安だったんです。高額な取引だし、もし輸入者が商品だけ受け取って、支払いをしてこなかったらどうしよう…と。ちなみに、この一番最初のコンテナで150万円の利益を作ったので、コンサルへ渡した代金分は回収出来ました。むしろ僕はコンサルを雇うという勇気を持てなければ、今日現在も輸出が出来ていなかったでしょう。
あれから12年・・・
この間に他国への輸出も行いました。何度か別の商品をフルコンテナでアジアの国へ送った事もあります。勿論上記の輸入者とは今でも取引があります。当時は円高、今はその時に比べて円安なので取引量は増えていて、20ftコンテナではなく40ftで行ってます。1回の輸出時の利益はザックリと2倍に増えています。輸出とは別に僕は輸入も2014年から開始しました。これもコンテナ単位で引っ張ってくるので、それなりに良いプロジェクトです。僕的には輸出・輸入の両方をやっている方がリスク分散になると思います。ちなみに、このページ上の釣りの写真、そこで僕が乗っている小舟も自分で輸入してます(笑)。
小規模で、自慢できる背景も無し
インターネットで貿易実務について誰かに相談したい!と思って検索をすると、
- 某有名ブランドの輸入をやってました!
- 有名大学卒で、アレコレ資格を持ち、セミナーの先生をやってます、本の出版もしました!
- オンラインサロンをやってるし、ネットでの物販のやり方を教えてます!
といった、「先生」みたいな方々を目にするかと思います。僕はそんな背景がなく、自分を大きく見せれるネタが特にありません。アメリカの四大をギリギリ卒程度の頭脳、卒業後2006年に帰国して、勤めずそのまま起業しただけ。不特定多数の人にセミナーや本という媒体で「教える」という事に興味が無い、ぶっちゃけ出来ない(笑)です。むしろ目が行き届くレベルで自分の会社を経営するし、誰かをサポートするとしても数に限界があります。